単身赴任の寂しさ解消!? 分身ロボットによる遠隔家族団らんチャレンジ

はじめまして、おぎモトキと申します。

私には重度障碍を持つ息子がいます。
在胎24週で生誕したのですが、その際の後遺症で脳性麻痺(小脳低形成)と診断されており、現在6歳で座位保持・自立移動が困難で、全介護が必要な状態です。

出生時の息子
現在の息子

■OriHimeを使うまでの経緯

そんな息子や我が家として身近となった「障碍」

『自分は父親として、果たして何ができるのだろう?』

と模索し続けた結果、

 「障害を持った息子や家族の未来のために
  自分のモノづくり技術を活かした仕事をしたい」

と決断するに至りました。
そこで、昨年にロボティクス機器エンジニアにジョブチェンジする決断をして、そこから心機一転、身体障がいを有する息子たちの手足に代わりになる技術の社会実装を目指しています。

しかし、このジョブチェンジの決断をする際、大きな悩みがありました。

それは、家族のいる関西を離れ、東京に単身勤務する事です。

 「家族の未来を作るために、家族のもとを離れるのか……?」

という矛盾に悩んでました。

 家族との「未来への取り組み」を取るか、家族との「今の生活」を取るか

悩んだ結果、欲張りな私は、
テクノロジーを活用してどちらも両立する事を目指し、

 分身ロボットOriHimeを用いた関西~東京の二重生活

に挑戦してみました。


■単身赴任開始 ~OriHime初体験~

まず、家族(特に子供たち)に「ロボット=お父さん分身」と感じて貰うべく、
お父さんの分身感を出す工夫を考えました!

そこで、父のトレードマークであるメガネを模したミニメガネをOriHimeに取り付けました。市販の針金で作ってみましたが、残念ながらお父さんの使ってるメガネ感がでなかったので、当時購入仕立ての3Dプリンタで作って、専用メガネを作ってみました(笑)

この「見た目をお父さん分身に近づける取り組み」の効果があったのか、
娘がすごく「カワイイ♪」と愛着を持ちはじめてくれたおかげで、
我が家のリビングにすんなり受け入れられました!

スマホ画面等の平面上とは違う存在感、
そして個人を感じさせる「見た目カスタマイズの重要性」を痛感しました。

我が家の基本的な使い方としては、
会社帰宅後にOriHimeを起動して自宅の分身ロボを動かし、
それから就寝まではずっと繋げっぱなしで置いておく使い方。


東京の単身赴任先からでも今までと変わらず、

遠く離れた家族と一緒に晩ごはんを食べたり、

一緒のテレビを見て笑ったり、

子供から今日の学校での出来事を教えてもらったり、

妻&子供がスプラトゥーンやってる姿を横目に見たり、

娘の寝かせつけをしてみたり、

朝学校に出かける際、娘に「いってらっしゃーい!」を言えたり、

家族とテレビを見るOriHimeの私
遠隔で食卓を囲む我が家
寝かしつけもOriHimeで

500km以上離れているとは思えない様ないつも通りの日常感
同じ時間を共有してる感覚になれるのが素敵!


もう一つ特徴なのは、会話頻度の低さ
自宅リビングのOriHimeを使ってる際の8割は特に会話をしていません。
自宅リビングに響く生活音とか、テレビ音とか、
息子と娘がケンカしてる音とか(笑)

だけど、テレビ電話の様に

「会話をしないといけない強制感」がない

のが良いなぁ、と思います。無言でも何となく一緒の場所にいる感があるので、気楽に繋げっぱなしでいつつ、寂しさを感じさせない。

そんなちょうど良い感が分身ロボットの特徴だ、と感じました


単身赴任の離れ離れ感もこれなら乗り越えれそう!

と、分身ロボットを使った遠隔家族団らんの可能性を実感しています。


■OriHimeを使った体験拡大

使い始めて約10か月が経過。
今でも、単身赴任先からの遠隔団らんに活用しているのはもちろんの事、
それ以外の様々な使い方も開拓していっており、
我が家に欠かせない存在になっています。

また、OriHime を更に活用すべく周辺機器を自作したり、
息子用に作った改造機器を組み合わせる事で、
更に面白い体験を創り出す事ができました。

その様な活用事例についても、随時紹介できれば、と思います。